ヘルスリテラシーと仕事

健康日本21は国が主導する健康増進プログラムです。平均寿命の高い我が国ではありますが、こうした平均寿命を延ばすことよりも、むしろ人が健康的に生活できる年齢の指標である健康寿命の延伸を目指して発足したのが、この健康日本21というプログラムです。さらに健康日本21は産業界とも連携しており、病気や身体の不調が仕事の意欲やパフォーマンスに与える影響についても考察しています。

いわゆるセルフメディケーションの普及によって、健康上の問題を自己対処する人が増えている中、身体に何らかの疾患や不調を抱えながら仕事を続けているという人も少なくありません。しかしその結果、一般にプレゼンティーイズムと呼ばれる、体調不良による仕事の意欲やパフォーマンスの低下傾向に陥ってしまう従業員が増えているという指摘がされています。とりわけ女性の場合、月経不順や月経前症候群に対するヘルスリテラシーの欠如の結果、適切な処置を取らずに自己対処してしまう人が多いことから、よりプレゼンティーイズムが深刻になってしまっています。さらにはメンタルヘルスへの意識の低さによっても、パフォーマンスの低下が顕著となっており、自己対処ではなくしっかりとした医療機関への受診が叫ばれているのです。まずはヘルスリテラシー、すなわち医療に対する一般的な知識とその対処法をしっかりと理解しておくということが肝心です。医療に対する知識が深まれば、対処の仕方を適切に選択することができるようになるでしょう。

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